5763 7/10Mc 電信送信機用電源の製作   

2017年 09月 17日

7/10 Mc用 6BX6-5763送信機である。
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10Mcはコンディションが悪く、ナカナカ交信できないのだが、7Mcでは時折オペレートして交信を楽しんでいる。

電源は別筐体に組み立ててある。電源トランスには札幌ラジオ少年から買ったB巻線が180V、80mAのものを使っている。これをブリッジ整流して、5763のプレート電圧は210V、出力は3Wである。

プレート電圧210Vとは少々物足りないので、もう少し高いB電圧を出力できる電源を組み立てたいと考えていた。

1979年頃、当時の球仲間であったJH7VMV伊藤さんにジャンクのSEL製電源トランスを貰った。コアが錆びて、カバーも無いような本当のジャンク品である。これを捨てずにずっとしまっておいていた。こういう状態である。
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2013年に、このトランスを引っ張り出して眺めているうちに、西崎電機で修復して貰えないかと思い立ち、問い合わせたところ、修復してくれるということだった。早速現物を送ったところ、見事に修復されて帰ってきた。
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これらのトランスには古典的な珪素鋼板のコア材が使われており、現代のコア材では代用できないことからコアをばらして清掃後に組み合わせて仕上げたとのことである。

土曜日、この右側のトランスを使って電源を組みたてた。
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左側がこれまで使っていた210V出力電源、右側が修復してもらったSELトランスを使って土曜日に組み立てた電源である。

このトランスは5球スーパー用のようで、B巻線は250V-320V 65mAという規格の半波整流用である。これをブリッジ整流したところ、5763のプレート電圧は270Vになり、出力は5WにQROした。

5763の最大プレート電圧は300Vなので、270Vは丁度良いところであろう。

5WはQRPと称することが可能な範疇では最大の出力であり、以前組み立てたUZ42送信機と同じ出力である。5W出ると、電信では国内の交信にはそれ程不自由はなく、UZ42送信機では数日でAJDが完成したほどである。

これで気分により3Wと5Wで運用可能なことになる。敢えて3Wで運用するのも楽しみではある。

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# by FujichromeR100 | 2017-09-17 19:46 | 10Mc | Comments(0)

QCX TRCVR送信部改変 BS170×3 7Mc E級電信送信機の自作-試験交信に成功   

2017年 09月 17日

ダミーロードで約3Wの出力が出るところまで確認した、QCX TRCVR送信部改変 BS170x3 7Mc E級電信送信機である。

昨日の夕方、急遽1段4回路3接点のロータリーSWを使ういつもの手法で、送受切り替え回路を配線した。

受信機と組み合わせて必要な配線を済ませ、キャリブレートをしたところ、SI5351VFOの信号がS9オーバーのビート妨害を起こしてしまうことがわかった。

この送信機ではSi5351 VFOの出力が送信周波数になり、受信機はキャリブレートしてその送信周波数を受信することになる。Si5351VFOは受信時にも電源を落とすわけにいかず、動作している状態なので妨害が起きるのではと薄々心配していたのであるが、S9オーバーのビートが起きるようでは実用にならない。

今日、シャックに来てから、VFOの出力端子をトランジスタスイッチで受信時に短絡するように配線してみた。が、ビートを消し去ることはできなかった。

仕方無いので、スケッチをいじり、受信時にSi5351の周波数が10Kcずれるように細工をした。これは、AD7C VFOのスケッチを参考にしたのだが、巧く動作するようになるまで半日掛かってしまった。

早速、試験交信を行った。まな板に汲みたてた送信機と、Si5351 VFOである。
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出力は3W弱というところである。今日は7Mcのコンディションが良くないためか、台風が接近しているためか、オンエアーしている局が少なく、試験交信の相手を探すのに苦労したのだが、どうやら2局と無事に交信できた。

QCXは出力5Wと謳っているが、同じ回路で自作したにもかかわらず、出力は3W弱となってしまった。とはいえ、このE級 QRP送信機が実用になることが確かめられた。

TSSに保証認定を申請する書類を作成しないといけない。第30送信機になる。ついこの前保証してもらったKD1JV TRCVRの送信回路と同じような構成なので、ブロックダイアグラムも簡単な手直しで書きあがるであろう。

こういうシンプルな基板1枚の送信機で実際に交信できてしまうのだから、自作はやめられない。
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# by FujichromeR100 | 2017-09-17 15:58 | E級電信送信機 | Comments(0)

QCX TRCVR送信部改変 BS170×3 7Mc E級電信送信機の自作-実働試験とドレイン波形   

2017年 09月 10日

昨日、実働試験の準備ができていたQCX TRCVR送信部改変 BS170×3 7Mc E級電信送信機である。

今日はシャックに来てから早速実働試験を行った。
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キーダウンすると、無事に出力が出た。出力は5Wに至らず、3Wであった。BS170のドレイン電圧波形を観察してみた。
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無調整でほぼ完璧なE級ドレイン電圧波形となっていた。
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回路図で、ドレインに接続されている56pFはサトー電気で手に入らず、68pFとしていた。これを撤去、47pF、82pFとしてドレイン電圧波形と出力を観察してみた。コンデンサーを撤去、47pFでは基線が波打ち、82pFでは出力がやや低下する傾向が見られた。結局、最初の68pFが一番良さそうであった。

広く知られているE級アンプの回路とは異なるが、E級増幅が実現していることがBS170のドレイン電圧波形から確認できた。L1と共にE級増幅のフライホイール回路を形成しているドレインコンデンサーの調整もブロードである。この回路は、最高出力、最高効率をシビアに追求するタイプではなく、造りっぱなしでも実用的なE級アンプとなる点が取り得であろう。

74ACT00を使用すると、入力に直流電圧で下駄を履かせなくともSi5351で直接ドライブすることが可能なことも確認できた。

この回路は、前作のKD1JV TRCVRの送信回路とほぼ同じである。KD1JVも、特に調整することなく送信回路は巧く動作した。この回路は再現性が高いといえよう。

QCXが謳う5W出力は得られなかったが、インピーダンスが50Ωと決まっているので、L1を調整することもできず、出力は成り行きで3Wに固定である。

QCXのマニュアルに書いてあるとおり、難しいことを抜きにしてE級増幅回路を使う送信機を組み立てて交信を楽しむには最適な回路であろう。E級QRP電信送信機の定番となり得ると思われる。

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# by FujichromeR100 | 2017-09-10 13:24 | E級電信送信機 | Comments(0)

QCX TRCVR送信部改変 BS170×3 7Mc E級電信送信機の自作-基板の組み立て   

2017年 09月 09日

QCX TRCVRの送信回路にすっかり興味を惹かれ、回路を若干改変して自作してみることにし、感光マスクを作ったところである。
今日は早速基板をエッチングし、組み立てを行った。
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簡単な回路なので、組み立てはすぐに終わった。3パラにしたBS170である。
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実働試験用に、いつものまな板スタイルに組み付けた。
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原発振にはびんぼうでいいの with LCDにおまけで付いてきたFSTNディスプレイを活用したN6QW Si5351 VFOを使うことにし、7Mcを出力するようにスケッチを書き直した。
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QCXのマニュアルによると、74ACT00の入力スレッショルドは2V台なので、Si5351の3V矩形波で直接駆動できるとのことである。

実働試験は明日以降の課題となる。

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# by FujichromeR100 | 2017-09-09 20:58 | E級電信送信機 | Comments(0)

QCX 5W CW TRCVRから- BS170×3 E級電信送信機の自作   

2017年 09月 04日

http://fujichrome.exblog.jp/28117836/

というわけで、早速QCX TRCVRの送信回路をアレンジしたBS170 3パラE級5W 7Mc送信機を組み立てることにした。

回路図である。
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Si5351からの信号が無いときにBS170のゲートがLowになるように、74ACT00によるインバーターを縦列に接続した。また、KD1JV TRCVRを参考に、LPFに14Mcのウエーブトラップを設けた。

いつものように方眼紙に基板パターンを描いた。
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7Mcで5W送信機は十分に実用的である。75ACT00など主要な部品をサトー電気に注文した。小さな基板でUZ42送信機と同じ出力が出るところも興味深い。

9月5日 追記

感光マスクを描いた。
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方眼紙のパターンではキーヤー端子と入力プルダウン用10KΩ抵抗を書き忘れていたが、感光マスクを描く際に手直しして書き加えた。

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# by FujichromeR100 | 2017-09-04 21:25 | E級電信送信機 | Comments(0)

QCX 5W CW TRCVR kit - BS170×3 E級電信送信回路   

2017年 09月 03日

お世話になっているKさんが「QCX 5W CW TRCVR kit」を発注されたとのことをきっかけに、Kさん以上にもお世話になっているJA2NKD OMとこのキットについてディスカスされているやりとりを読み、非常に触発されたのが昨日の夜のことである。

このQCX 5W CW TRCVRとは、QRP Labが広告しているキットである。
https://www.qrp-labs.com/qcx.html
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このキットのAssembly Manualは非常に懇切丁寧且つ充実しており、素晴らしい。

https://www.qrp-labs.com/images/qcx/assembly_A4.pdf

このマニュアルに、E級ファイナルの考え方が解説されており、非常に参考になった。このキットでは、最近組み立てたKD1JV TRCVRと同じように、BS170が3パラで使われ、E級動作により5Wの出力が出るとされている。

E級RF増幅回路の基本回路はこの図が一般的である。
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Qはスイッチング素子であり、IRF640、IRF510、2N7000、BS170などのFETが使われることが一般的である。ゲートを矩形波で駆動し、ドレインに生じるサイン波の半サイクル様のパルス状電圧によりC2・L2からなる「フライホイール回路」を駆動する。Load回路はE級回路のインピーダンスとアンテナの50Ωを整合する回路であり、2穴コアによるトランスやLCによるマッチング回路が使われる。

E級電力増幅回路とはこのような回路であると理解していたところ、QCXのマニュアルでは非常に斬新な解説がされていて、目からウロコ状態になった。

マニュアルでは、「E級電力増幅回路の設計は非常にシンプルである」と言い切っている。「難しい計算は抜きにして、出力インピーダンスを同軸と同じ50Ωに決めてしまい、後はオンライン計算サイトで周波数とトロイダルコアの種類を入力すれば、巻数とコンデンサーの値が示されるので、それに従えば良い。」という、信じられない程間単なことが書いてあるのである。

これがその「計算サイト」である。

http://toroids.info/T37-2.php

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トロイダルコアーの種類を選び、周波数とインピーダンスを入力するだけで必要なインダクタンスと巻数、コンデンサーの容量が示される。

T37-2を使い、周波数7Mcでインピーダンス50Ωとして計算させたところ、結果は次のとおりとなった。

インダクタンス 1.14uH
容量 455pF
巻数 16.9turns

この結果と、QCXのファイナル回路の定数を比較してみた。
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回路図では、L1が問題のコイルになり、巻数は16Tとなっている。容量は56pF、270pF、BS170の出力容量(25pF×3)の合成値となり、計算すると401pFとなる。これにストレーも加算されることと、データシートにBS170の出力容量は最大30pFと示されていることから、計算値の455pFとそれ程乖離しているわけではなく、妥当な値と思われる。

この前組みたてたKD1JV TRCVRのファイナルと、50W E級電信送信機の励振回路の参考にした2N7000 Simple Class E TXのファイナルがこの回路に非常によく似ている。これらの回路は次のとおりである。

KD1JV TRCVR
http://www.qrpkits.com/files/TribanderManualRevA1_20160726.pdf
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2N7000 TX
http://users.cecs.anu.edu.au/~Gerard.Borg/engn4545_borg/VHFPA/2N7000/2N7000_CLASSE.pdf
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KD1JV TRCVR、2N7000 TX共にコンデンサーはLPFの一部を構成し、容量は330pFとなっている。これは、QCXの56pF+270pFとほぼ同じであり、FETの出力容量とストレーを加えると、計算で示された455pFに近い値となると思われる。

2N7000 TXの回路では、QCXと全く同じく、T37-2に16T巻いたL1が使われている。これに対して、KD1JV TRCVRの回路ではL7がFT37-43に10T巻かれたRFCとなっており、E級電力増幅回路の共振回路が存在しない。最近KD1JV改良TRCVRを組み立てた際、この点に疑問を感じてFT37-43の代わりに、2N7000 TXを参考にしたT37-2 16Tのコイルを使用した。その結果、ダミーロードでの出力は5W得られた。ここは本来、T37-2 16Tにするべきなのであろう。

KD1JV TRCVRと2N7000 TXでは、LPFのLの一つにコンデンサーが並列に接続されている。当初、この回路の意味が良くわからなかったのだが、共振周波数を計算したところ、どちらも14Mc前後であることがわかった。7Mcの2倍高調波を抑制するためのウエーブトラップとして動作しているようである。E級電力増幅回路にはフライホイール回路が接続されているとはいえ、高調波が多く含まれる。ファイナルをプッシュプルにすると偶数次の高調波は打ち消されるが、シングルでは2次高調波のレベルが高いことに対する処置と思われる。

なお、2N7000 TXのLPF3段目の空芯コイルと22pFは、VHF領域でのパラ止めのためとされている。

QCXにはPNP TRによる非常にシンプルなキーイング波形整形回路がBS170のドレイン回路に接続されている。2N7000 TXの原典には、励振回路を直接キーイングするだけではキーイング波形が急峻になり、且つキークリックを生じるために、キーイング波形整形回路を導入したと解説されている。キーイング波形整形回路は、QCXの1石回路よりも複雑で凝った回路が使われている。

QCXのキーイング波形整形回路はPNP TR 1石による非常にシンプルな回路であるが、マニュアルにはキーイング波形を実写した写真が示されており、この回路が有効に機能していることがわかる。

QCXではドライバーに74ACT00が使われている。74ACT00は入力のスレッショルド電圧が2V強のために、3Vの矩形波を出力するSi5351で直接駆動することが可能である。

これに対して、2N7000 TXとKD1JV TRCVRでは74AC02、74HC02をドライバーに使用しているので、Si5351やAD9850の出力では直接駆動することができない。そのため、入力に直流電圧を印加して「下駄を履かせる」必要があった。

-・・・-

QCXの送信回路には非常に興味を惹かれた。この回路で7メガ電信送信機を組み立ててみるのも一興である。その際、LPFには14Mcのウエーブトラップを付けるとFBであろう。

なお、QCXの受信部も非常に興味深い構成である。miniR2とほぼ同じSingle Signal PSN方式のDC受信機なのである。但し、RF-PSNを遣わずにSi5351から位相が90°ずれたLO信号を直接出力させている。また、miniR2ではDBMを2個使用してI信号とQ信号を得ているのに対して、QCXではアナログスイッチのFST3253を使用して0°、90°、180°、270°の信号を得て、0°と180°、90°と270°の信号をオペアンプの差動増幅回路でそれぞれ合成することにより、I信号とQ信号を得ている。

I信号とQ信号を処理するAF-PSNには2段のオールパスAF-PSNを使用している。CW用なので、2段で十分なのであろう。SSB用のminiR2では3段のオールパスフィルターを使用している。AF-PSNの出力を合成し、不要逆サイドバンドがうち家されたAF信号を、オペアンプによる200C/SのAFフィルターにより帯域制限し、出力している。

このようにQCXは非常に興味深いキットである。注文が殺到していて入手が順番待ちになっているようである。基板を起こして送信回路だけを組み立てるのも良さそうである。

7Mcの電信では、国内では5Wで599のレポートが貰えることが多く、十分に実用的である。実際、出力5WのUZ42送信機では、僅か数日でAJDが完成した。QCX自作バージョン送信機も十分実用的になるはずである。

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# by FujichromeR100 | 2017-09-03 16:53 | E級電信送信機 | Comments(0)

アナログ直列変調器によるAM変調の実験   

2017年 09月 03日

懐かしいCBジャンククリスタルをオーバートーン発振回路で発振させ、2SC1957、IRF510と2段増幅し、各増幅段にST65Bの2次側からAF変調電力を印加することにより、ようやく4Wのキャリアーに100%変調が掛かるようになったものの、マイナス変調になってしまうという問題を抱えていた半導体式AM変調の実験である。

http://fujichrome.exblog.jp/28101130/

今日は2SC1957のドライブを強化するなどの試行錯誤を実施したが、マイナス変調を改善することはできなかった。

そこで、方針を変えて昨日組み立てたアナログ直列変調回路の実験を行うことにした。

全体の回路図である。
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変調トランスを使う方式と比較して、全体の構成が著しく簡略化される。直列変調の場合、ドライブ段にも変調をかける必要がなくなるので、RF段の構成は「水晶発振-電力増幅」の2ステージだけでよくなる。

電力増幅段には、RD06HVF-1単段リニア基板を再起用した。水晶発振段の出力をリニアの入力に直接接続すると、RF出力は5Wとなった。直列変調方式では、この出力が100%変調時のPEP出力となり、変調器を接続して正しく設定すると、キャリアー出力はこの出力の1/4となる。このために、RF段の出力は可能な限り大きくしておきたいところである。

RF段の出力を大きくするために、RD06HVF-1のドレイン入力回路にインダクターを接続することにした。以前、インダクターを接続することによりRSD06HVF-1の感度が著しく高くなることを実験的に確かめてある。回路図の定数のインダクターを挿入したところ、RD06HVF-1の出力は5Wから8Wとなった。

電源電圧13.8V、出力ワイドバンドトランスの巻線比が1:2(RD06HVF-1の負荷インピーダンス12.5Ω)では、計算上の出力が7.6Wとなるので、RD06HVF-1はほぼ最大出力を出す条件で動作していると考えられた。

この条件でアナログ直列変調器を接続して、テストオッシレーターから変調器に1KcのAF信号を入れ、変調を掛けてみた。

キャリアーである。出力は2.2Wとなった。
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歪無く、最も深い変調が掛かるようにキャリアーセットVRを微調整した後の変調波形である。
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波高値がキャリアーのほぼ2倍となっている。出力も2.2Wから2.3Wへと僅かに増加する。

直列変調回路では、教科書通りのAM変調波が得られることが確認できた。

実験を行ったまな板シャーシーの写真である。
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前回、変調トランス方式を実験した際のまな板シャーシーである。
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これと比較すると、直列変調方式では回路が著しく簡略化していることがわかる。変調トランスと2SC1957ドライバー基板が不要となり、AF電力増幅基板の代わりに直列変調器基板が取り付けられている。

-・・・-

JR1BPR OMが発表されたアナログ直列変調回路を簡略化して組み立てた直列変調回路は非常にFBに動作し、RD06HVF-1に教科書通りのドレイン変調が掛かり、変調ピーク時の波高値がキャリアーの凡そ2倍になることが確認できた。

このように、直列ドレイン変調は半導体式AM変調方式として非常に優れていることが確認できたが、最大の難点はキャリアー出力がRF段の最大出力の約1/4になってしまうことである。RD06HVF-1の最大出力は8Wに調整できたものの、キャリアー出力はわずか2.2Wとなってしまう。

これは、直列ドレイン変調方式では無変調キャリアー時にRD06HVF-1のドレイン電圧を100%出力時の13.8Vの1/2である6.9Vにセットするためである。これにより、電流も100%出力時の1Aの1/2の0.5Aになる。

これに対して、変調トランスを使うドレイン変調では、キャリアー時のドレイン電圧が13.8Vとすると、100%変調時にはこれにAF電圧が重畳されてドレイン電圧が13.8Vの2倍の27.6Vとなる。従って、正しいAM変調が実現していれば、100%変調時のPEP出力はキャリアー出力の4倍になる。但し、これまでに実験した変調トランスを使う変調方式では、この電圧・電流の関係が正しく成立せずにマイナス変調となってしまい、この問題を解決することができなかったわけである。

直列ドレイン変調方式でキャリアー出力を増加させるためには、VCCを高くするのが簡単である。VCCはファイナルFETの最大ドレイン電圧の90%程度まで高めることが可能と考えられる。100%変調時のピーク出力が増加するために、FETはRD06HVF-1からRD15HVF-1に変更する。RD15HVF-1の最大ドレイン電圧は30Vなので、VCCを27Vとすると、無変調時のドレイン電圧は13.5V、キャリアー出力は約7.3Wとなる。

VCCを13.8Vのままとする際には、出力のワイドバンドトランスを4:9とすると最大出力が約10Wとなり、キャリアー出力が約2.5Wとなる。VCCを13.8Vのままとする場合、直列ドレイン変調方式ではこの辺が出力の限界であろう。

7195Mcで一般化してきているE級RF増幅回路では、半導体式であるにもかかわらず、キャリアー出力40W(PEP出力160W)が容易に実現可能であるが、E級増幅回路が使えないハイバンドで高出力のAM送信機を半導体で組み立てることは、まだまだ難しいことが実感された。ハイバンドで実用的な出力(キャリアー30W程度以上)のAM送信機を組み立てるのには、未だに真空管式の方が容易である。

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# by FujichromeR100 | 2017-09-03 14:42 | 半導体式AM送信機 | Comments(2)

2SA353ゲルマ4石スーパーの日中受信局リスト-金沢市、富山市、新潟市、上越市、鶴岡市の局を受信   

2017年 09月 02日

ゲルマトランジスター2SA353を局発・周波数変換と中間周波増幅に使用した4石スーパーは、高電力利得を誇るシリコンエピタキシャルプレナー2SC2669バージョンに匹敵するほどの高感度に仕上がった。

今日は、12:00からグランドウェ-ブでどの局が入感するか、周波数帳を片手に確認してみた。
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受信できた局である。DL4YHF周波数カウンターにより周波数を直読可能なために、受信している局を簡単に確認でき、非常にFBである。

・648Kc NHK第一富山 JOIG 5KW SINPO25552 401.6Km(海上)
・738Kc 北日本放送 富山 JORL 5KW SINPO24552 401.6Km(海上)
・774Kc NHK第二秋田 大潟村JOUB 500KW SINPO55555 55.2Km(海上)
・837Kc NHK第一新潟 JOQK 10KW SINPO45554 200Km(海上)
・918Kc YBC山形放送 鶴岡中継局 1KW SINPO34543 91.3Km
・936Kc ABS 秋田放送 秋田市茨島 JOTR 5KW SINPO55555 19.9Km
・1026Kc NHK第一 本荘中継局 本荘市二十六木 100W SINPO35553 18.2Km
・1035Kc NHK第二 鶴岡中継局 1KW SINPO35533 91.3Km
・1035Kc NHK第二 富山中継局 1KW SINPO35533 401.6Km(海上)
・1107Kc 北陸放送 金沢 JOMR 5KW SINPO 23552 444.7Km(海上)
・1116Kc BSN新潟放送 JODR 5KW SINPO45454 200Km(海上)
・1359Kc NHK第二 高田中継局 上越市 100W SINPO15511 313Km(海上)
・1359Kc NHK第二 輪島中継局 輪島市 100W SINPO15511 364.6Km(海上)
・1503Kc NHK第一秋田 秋田市飯島 10KW SINPO55555 27.4Km
・1530Kc BSN新潟放送 上越 JODO 1KW SINPO15521 308.9Km(海上)
・1530Kc BSN新潟放送 糸魚川中継局 100W SINPO15521 336.8Km(海上)
・1593Kc NHK第二新潟 JOQB 10KW SINPO35553 200Km(海上)
(海上):海上伝播
SINPO評価の総合(O)で2評価以上の局では放送の内容が了解できる。

最も遠いのは444.7Km離れた金沢市から入感する北陸放送、次いで401.6Km離れた富山市からの北日本放送であった。出力はどちらも5KWである。高周波増幅も無く、周波数変換と中間周波増幅1段だけの4石スーパーでこれほどの遠距離局を受信可能であるとは、驚きである。

1035KcのNHK第二は、鶴岡と富山中継局の電波が干渉しているらしく、フェージングを伴って入感する。

不思議なのは1359KcのNHK第二である。SINPO15511であり、キャリアーと音声の存在がわかる程度の聴こえ方で、深いフェージングを伴っている。放送の内容を聞き取ることはできない。

この周波数では北海道から九州まで26局のNHK第二が送信されているのだが、全て100W局である。直線距離が最も近いのは、秋田県北、内陸部の大館中継局であるが、距離は92Kmもある。100Wの電波が陸上を通る場合、1026KcのNHK第一本荘中継局のように、20Km程度しか届かない。51Km離れた横手市の100W中継局の電波は全く届かないのである。従って、1359KcのNHK第二は大館中継局の電波ではないことが明らかである。

一体、どこから送信されている100W電波なのであろうか。

この周波数にリストされている26局のうち、入感する可能性があるのは海上伝播する局と思われる。放送局の位置から海上伝播するはずの局として、最も近いのは上越市高田中継局であり、距離は313Kmも離れている。

この電波は深いフェージングを伴っている。これは、他の局の電波と干渉している可能性を示しているのだが、海上伝播により干渉する可能性があるのは輪島中継局(364.6Km)からの電波しかない。中波は海上伝播によると、陸上経由と比較して相当遠距離まで届くようである。

いずれにせよ、300Km以上の彼方から海上伝播で伝わってきていると思われる、わずか100Wの中継局の電波を捉えることができるとは、2SA353ゲルマ4石スーパーの高感度なことには、あらためて驚く。夜間には国内遠距離の50KWをほぼ全て受信できた。

この手作り4石スーパーで遠距離受信を楽しむためには、周波数直読が必須である。

現在ポリバリコンにダイヤルを直結し、しかも完全バラック状態で受信しているので、同調操作が極めてシビアであり、しかも不安定である。これをシャーシーに組み付けて、糸かけダイヤル方式として減速すると、同調操作が非常に容易になるであろう。

この4石スーパーを適当なシャーシーに組み付ける作業は、今後の課題である。

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# by FujichromeR100 | 2017-09-02 15:07 | ゲルマトランジスター | Comments(0)

アナログ直列変調器の実験-感光マスク描き   

2017年 08月 30日

半導体のRF増幅集団に変調トランスで大電力AM変調回路を掛ける難しさに試行錯誤を重ね、ようやく4Wのキャリアーに低周波出力7W強の変調器で100%変調が可能になった。が、まだマイナス変調の問題が解決していない。

ここで、変調トランスを使わない直列変調回路も実験してみることにした。

直列変調回路自体は、その昔にATV送信機にも使われていた、昔から知られている回路である。現在では7195で汎用されているPWM変調器も直列変調回路で使われている。

PWM変調器はPWM専用ICであるLTC6992を使用すると比較的容易に組み立てることができるのだが、大きなLPFが必要であるなど、キャリアーわずか4W程度の送信機で実験するにはいかにも大げさである。

そこで、以前から興味を持っていた、JR1BPR OMが報告されたアナログ直列変調回路を試してみることにした。JR1BPR OMが発表された回路である。

http://nsn-net.plala.jp/users/jr1bpr/sbb/img/1494.png

原典では変調用に2N3055を4パラで使用している。これではピークパワー4W程度の送信機にはいかにも大げさなので、変調用トランジスターには手持ちがあった2SD843をシングルで使うことにした。この2SD843は意外とタフな石でIc max 7A、Pc max 40Wという規格である。2N3055(15A、115W)の半分弱の最大定格であるが、ピーク出力4W程度のAM変調には」十分と思われる。

回路図である。
f0205744_19375168.png
2N3055 4パラを2SD843 1個とした以外、JR1BPR OMの回路と全く同じである。

この変調器では、2SD843のエミッターをファイナルのRD06HVF-1のドレインに接続する。キャリアーセット用の10KΩ半固定抵抗でRD06HVF-1のドレイン電圧(=2SD843のエミッター電圧)が13.8Vの40~45%になるように調整する。すると、4Wだったキャリアー出力は約1W程度になるはずである。

この状態でLM675にAF入力を与えると、ピーク出力が4Wの、正しいプラス変調のAMが出力されることになる。直列変調ではマイナス変調になることはないはずである。

今日は、このアナログ直列変調器の感光マスクを仕上げた。
f0205744_22223607.jpg
基板のエッチングと組み立ては、週末の課題になる。







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# by FujichromeR100 | 2017-08-30 22:24 | 半導体式AM送信機 | Comments(2)