送信管-807、6146、2E26
2010年 05月 13日
12V電源で容易に実現できるワイドバンドリニアーは5Wまでで、それ以上の出力を要求すると、電源電圧を上げたりプッシュプルにしたりと、話が急に込み入ってくる。
これに対して、真空管式のリニアにすると、10W出力は容易に得られる。
というわけで、手持ちの送信管を眺め直してみた。
送信管といえば、まずは807である。とはいえ、SSB送信機の終段に807が使われている例はあまり見掛けない。807といえば、昭和40年代初頭までの初級ハム用A3送信機のファイナル、というイメージがJAでは大きい。が、SSBハンドブックをみると、プレート電圧400V(最大出力時の電流70mA)、スクリーン電圧300V、AB1級動作で18Wの出力が得られることが示されている。
郷愁をさそう807であるが、SSB送信機のファイナルに起用してみる価値は十分にある。
6146はSSB用ファイナルを意識したタマとされている。実際、国産リグのファイナルには一番多く使用されたのではないだろうか。無線の免許を取得たばかりのとき、講習会の講師の先生から譲ってもらって手に入れた最初のリグがトリオの「310ライン」であった。そのファイナルは、6146相当のS2001(松下製)であった。これまで6146を自作送信機に使ったことがないのは、CWとA3送信機には42や807がハマリ役で、SSB用のイメージが強いこのタマが、何となくそぐわないイメージがあったためであろう。
2E26はVHF用という位置づけのため、50McのA3送信機のファイナルに起用した。巧く動作したが、6146と比較すると内部抵抗が高い印象を持った。同じプレート電圧でも、プレート電流が流れにくいのである(このようないいかたが正しいかどうか、わからないが)。
これらの送信管を実際に使おうとすれば、パワートランスやチョークコイル、高圧ケミコン、バリコンなどに出費が嵩み、装置も大きくなり場所を取るなどの問題があるのだが、トランジスターよりも大きな出力が簡単に得られることと、自分自身、真空管を使った装置の製作に慣れていることなどが相俟って、非常に取り付きやすく思える。
FT241Aクリスタルフィルターを使ったSSB送信機は7Mc用にしようという方針がほぼ固まった。ファイナルは807にしたい。1625も捨てがたいのだが。
by fujichromeR100 | 2010-05-13 12:33 | 真空管 | Comments(2)
下部シールドとセラミックの絶縁物がいいです。ベースが黒でないのもいいです。
フィルムコンデンサのニッセイ電機が倒産だそうで、いい部品メーカーがなくなるのが寂しいです。