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NJM2594の実働試験-AM変調と平衡変調   

2018年 07月 22日

NJM2594は、数少ない現行品のバラモジICであり、秋月で安価に入手可能である。SMTであるが、秋月にはDIP変換基板が売られている。最近、μPC1037Hとピン互換となるようなSIL変換基板も販売された。

このNJM2594は相当以前に入手し、実験をしようと思いながらも、今まで手を付けるていなかった。
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最近、NJM2594の使い方と、AM変調の実験結果をアップしているHPを発見した。
https://xn--p8jqu4215bemxd.com/archives/2229

AM変調テスト回路も示されている。

土曜の夜、晩飯を食べてから発作的にこの回路を組み立てて実験してみたくなり、急遽基板パターンを描いた。

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MC1496と異なり、外付け部品が少ないので、パターンはシンプルである。感光マスクも描いて、
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一気に基板を組み立てた。
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基板パターン描きから基板の組み立てまで、1時間足らずで終了した。これで、積年の懸案であったNJM2594の実験をする準備が一気に整った。

今日は早速実働試験を行った。
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SSGから27.040Mcのキャリアーを入れ、トリオのAFテストオッシレーターからAF信号を入れてみた。
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データシートでは、キャリアー入力電圧は100mV(100dbμ)と指定されているが、32mV(90dbμ)とすると歪み無いAM波が出力されることがわかった。キャリアー注入・キャリアーバランス用VRは、HPにあるとおりスライダーがグランド(0V)となる位置にセットすると歪み無いAMが出力されることがわかった。

キャリアーである(3目盛り)。
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100%変調を掛けた状態である。
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PEPが6目盛りとなり、教科書どおりのAM波が出力されることがわかった。

この状態で、キャリアーをデータシート指定の100mV(100dbμ)としてみた。
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歪んだAM波が出力されることがわかった。

NJM2594をAM変調に使用する場合、キャリアーレベルが非常に重要であり、データシート指定の100mVではなく、32mV程度としないといけないことがわかった。

次に、平衡変調回路の実験を行った。

データ指定のキャリアーレベル100mV(100dbμ)の状態でキャリアーバランスVRを調整し、キャリアーヌルを取った。
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AF信号(1.25Kc)を加えたところ、美しいDSBが出力された。
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-・・・-
長年、NJM2594を使ってみたいと思いながらも手が付かなかったのだが、ようやく積年の課題に取り組むことが出来た。

最近、MC1496によるAM変調と平衡変調の実験をしたばかりである。
https://fujichrome.exblog.jp/29938743/
MC1496はどちらの目的にも非常にFBに動作することが確かめられたが、外付け部品が多いことと、正負電源が必要であることが難点である。

NJM2594は外付け部品が少なく、非常に使い易いバラモジICであることが実感された。

NJM2594によるAM変調回路では、キャリアー入力レベルがポイントであることがわかった。データシート指定の100mVでは、歪んだAMが出力されてしまい、キャリアーとしては32mV(90dbμ)が適正らしいことがわかった。水晶発振回路をキャリアー発振回路にする場合、レベル管理に注意する必要がある。

AM変調回路専用とする場合、AF入力端子を4.7KΩでアースに接続してしまうのが良さそうであり、回路の簡略化にも繋がる。

平衡変調回路としては、データシートに指定のキャリアー電圧100mV(100dbμ)で適正に動作するようである。送信用のバラモジに使用する場合、キャリアーバランスVRを設けることが望ましいであろう。

受信部のプロダクト検波回路としての実験は、今後の課題である。



by FujichromeR100 | 2018-07-22 20:31 | AM変調 | Comments(4)

Commented by JH4WBY at 2018-08-29 18:01 x
書き込みが1月ないのですが、だいじょうぶでしょうか。
4エリアでは6月7月に洪水被害がありました。
Commented by FujichromeR100 at 2018-08-30 08:37
JH4WBY OM
ご心配いただきまして恐縮です。8月の頭からお盆過ぎまでおやじが入院するというトラブルが突然発生し、趣味は完全停止してバタバタしていました。現在は退院して元の生活が戻ってきて、細々と自作も再開しています。

この記事の後でARRLのExperimental Methods in RF Designに書いてある、DBMを使うAM変調回路の実験を行い、あまりぱっとしない結果でしたがAM偏重がかかることを確認してあります。

その後は、14.318MHzクリスタルを使った可変帯域2SK291 IF3段増幅器版が先週やっと組みあがり、今週末に実働試験予定です。

これら2点はいずれ書き残す予定です。今後ともどうかよろしくお願いいたします。
Commented by FMトランスミッタ小僧 at 2023-06-25 23:53 x
FMステレオトランスミッタでL-Rの信号を38kHzで平衡変調する部分をつくるのが由緒正しい方法(ほかにもL+R信号や19kHzのパイロット信号)をつくって、それらを足し合わせる(低周波でのミクサ)は可能なのでしょうか。
Commented by FujichromeR100 at 2023-06-29 13:03
済みません。やったこともなく、ちょっとわかりません。

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