TA7321P FMラジオ
2015年 02月 28日
このTA7321P FMラジオの製作記事は、JA1AYO丹羽OMの「トランジスターラジオ実践製作ガイド」に収載されている。
実働試験を行うと、FMラジオ特有の「ザ~」っというノイズが聞こえず、FM放送も聞こえるには聞こえるものの音が非常に小さく、明らかに異常である。
回路と部品を全てチェックしても、間違いを見つけることができなかった。こうなると、ICを使う回路では問題の特定はお手上げになってしまう。
午後、気を取り直してTA7321Pのデータシートを検索した。あまりにも古すぎるためか、大体のICで普通は見つかるPDFバージョンのデータシートがなく、1ページ毎のtifファイルのデータを漸く見つけた。
ダウンロードして保存するのに手間が掛かったが、データシートの応用回路を確認することができた。すると、データシートで330Ωとなっている抵抗が、本掲載の回路図では330KΩ担っていることを発見した。早速、基板に取り付けていた330KΩを330Ωに換装すると、果たしてラジオは正常に動作するようになり、非常にFBな音でFM]放送が聞こえるようになった。
この本を手にして、苦労してTA7321Pを探し出し、このFMラジオを組み立てたマニアは全員、組み立てたものの記事に書いてあるとおりに動作せず、聞こえないラジオを目の前にして途方に暮れたに違いない。今回、インターネットでデータシートを入手できたために誤植を発見できたが、記事にはTA7321Pのデータシートを探すことは難しいと書いてあるので、トラブルの原因を特定するためにデータシートを探そうと考えにくくなっていることも問題である。
FMラジオくんとは異なり、このTA7321P FMラジオはFM用2連バリコンを使い、アンテナ入力回路にも同調回路が接続される設計になっているので、トラッキング調整をする必要がある。が、LA1600ラジオのトラッキング調整が非常にクリチカルだったのとは大きく異なり、FMバンドでのトラッキンぐ調整はかなりブロードで調整は難しくはなかった。
FMラジオくんでは自蔵の30cm程度の長さのアンテナで十分に放送が受信できるのに対して、TA7321Pラジオでは2m程度のビニール線をアンテナとして接続しないとFM]放送が良く受信できない。感度はFMラジオくんの方が高いようである。2SK241によるRFアンプを外付けすれば、感度不足を十分に補うことができるであろう。
自分で考えた回路ではないが、FMラジオを2題組み立てることができた。
by FujichromeR100 | 2015-02-28 18:05 | FMラジオ | Comments(4)
次は狭帯域FMですね。
オーディオがLM386なので、これをもっとFBなものに換装すると、モノラルといえどもHiFiに近づけることができそうです。
次は、29MHz FM受信機です。今日はPLL基板の組み立てに取り掛かっています。