AM変調回路の実験-DBMとMC1496
2018年 07月 17日
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3連休の初日に、実験基板の感光マスクを描き、
本来、DBMによるAM変調回路は低歪のAMを出力するはずである。出力されたAM波に歪みがみられることからも、今回実験した回路に何か問題があるものと考えられる。
ARRLのExperimental Methds in RF Design (EMRFD)にもDBMによるAM変調回路が記載されている。
回路をみると、不定インピーダンスというやっかいな性質を持つDBMを歪み無く駆動するために、AF出力回路にSEPPを投入し、PSN-DC受信機のR2に使われているものとほぼ同じ、AF BPF-ダイプレクサーにより帯域制限とインピーダンス補償をしてDBMを駆動する設計となっている。
AF BPF-ダイプレクサーには部品の入手が容易なminiR2のだいぷいれくさーを使うことにして、必要な部品をサトー電気に発注した。部品が届いたら、基板パターンを描いて実験の用意に取り掛かる予定である。
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2016年の11月に、MC1496によるAM変調回路の実験をした。その際、水晶発振回路の出力をそのままMC1496に加えてしまったために、データシートで指定されているRF電圧を大きくオーバーしたらしく、歪んだAM波が観察された経緯がある。
その時の実験基板を引っ張り出してきて、MC1496によるAM変調回路の再実験を行った。
今回は、SSGを使用し、データシート指定のRF電圧である60mV r.m.s.(95.5dbμ、-18dbm)を加えた。
キャリアーである(2目盛)。
MC1496は、平衡変調用のバラモジICである。キャリアーバランスを崩してAMを出力していることになる。次に、キャリアーバランスを調整してキャリアーを打ち消した。
MC1496は平衡変調、AM変調のいずれについても非常にFBに動作することが実際に確認できた。2016年に実験したときは、水晶発振回路の出力をそのまま印加してしまっていた。水晶発振回路の出力は10dbm程にもなるので、MC1496に対しては入力オーバーである。SSGのレベルを変えて観察したところ、0dbm程度で歪が視認できた。DBM用ICでは、RF、AF共に入力レベルの管理が重要である。
なお、NJM2594もAM変調に使えるようである。NJM2594はMC1496のように正負電源を必要としないので、便利である。NJM2594は手持ちがあるのだが、これまで一度も実際に使ってみたことがない。このICの実験も手掛けてみたいところである。
by FujichromeR100 | 2018-07-17 19:27 | AM変調 | Comments(0)