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AM変調回路の実験-DBMとMC1496   

2018年 07月 17日

トロ活に記載されている、DBMによるAM変調回路の実験を始めたところである。

https://fujichrome.exblog.jp/29929242/

3連休の初日に、実験基板の感光マスクを描き、
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基板を組み立てた。
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SSGから27Mc 13dBmの信号を入れて、AFテストオッシレーターから1Kcの信号を加えた。
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一応、AM波は出たのだが、歪が大きいようである。また、DCを印加することによりキャリアーが出力に現れるはずであるが、その現象もうまく確認できなかった。トロ活に記載されている回路は大体うまく動作するのだが、どうも書いてあるとおりに動作していないようである。使用した既製品のDBMに何かクセでもあるのだろうか。

本来、DBMによるAM変調回路は低歪のAMを出力するはずである。出力されたAM波に歪みがみられることからも、今回実験した回路に何か問題があるものと考えられる。

ARRLのExperimental Methds in RF Design (EMRFD)にもDBMによるAM変調回路が記載されている。
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トロ活の回路では、DCを印加することによりDBMの出力にキャリアーを発生させているが、このEMRFDの回路ではDSBを発生させた後に、100%変調となるようにキャリアーが添加されると謳われている。

回路をみると、不定インピーダンスというやっかいな性質を持つDBMを歪み無く駆動するために、AF出力回路にSEPPを投入し、PSN-DC受信機のR2に使われているものとほぼ同じ、AF BPF-ダイプレクサーにより帯域制限とインピーダンス補償をしてDBMを駆動する設計となっている。

AF BPF-ダイプレクサーには部品の入手が容易なminiR2のだいぷいれくさーを使うことにして、必要な部品をサトー電気に発注した。部品が届いたら、基板パターンを描いて実験の用意に取り掛かる予定である。

-・・・-

2016年の11月に、MC1496によるAM変調回路の実験をした。その際、水晶発振回路の出力をそのままMC1496に加えてしまったために、データシートで指定されているRF電圧を大きくオーバーしたらしく、歪んだAM波が観察された経緯がある。

その時の実験基板を引っ張り出してきて、MC1496によるAM変調回路の再実験を行った。

今回は、SSGを使用し、データシート指定のRF電圧である60mV r.m.s.(95.5dbμ、-18dbm)を加えた。
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非常に美しいAM波が出力された。

キャリアーである(2目盛)。
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100%変調となるようにAF電圧を加えた。
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PEPでキャリアーの2倍の電圧である4目盛りとなっている。教科書どおりである。

MC1496は、平衡変調用のバラモジICである。キャリアーバランスを崩してAMを出力していることになる。次に、キャリアーバランスを調整してキャリアーを打ち消した。
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ここでAF信号を加えたところ、非常に美しいDSBが出力された。
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MC1496は平衡変調、AM変調のいずれについても非常にFBに動作することが実際に確認できた。2016年に実験したときは、水晶発振回路の出力をそのまま印加してしまっていた。水晶発振回路の出力は10dbm程にもなるので、MC1496に対しては入力オーバーである。SSGのレベルを変えて観察したところ、0dbm程度で歪が視認できた。DBM用ICでは、RF、AF共に入力レベルの管理が重要である。

なお、NJM2594もAM変調に使えるようである。NJM2594はMC1496のように正負電源を必要としないので、便利である。NJM2594は手持ちがあるのだが、これまで一度も実際に使ってみたことがない。このICの実験も手掛けてみたいところである。

by FujichromeR100 | 2018-07-17 19:27 | AM変調 | Comments(0)

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