某OMに送っていただいた日立製2B32(832)と専用ソケットを使用して、6EH7-832A 7Mcマスコット送信機の組み立てを計画してシャーシー加工までを終了したのが3月のことである。
連休中はこの送信機の配線と実働試験を行った。
配線が終了したところで実働試験を行った。
動作させてみると、出力が2Wしか出ない。
色々いじっているうちに、この送信機はいくつかの問題を抱えていることがわかり、手直しをした。
・832のプレートタンク回路の同調点でプレート電流のディップが浅いく、832のグリッド電流も非常に少ない。
→6EH7では出力が小さく、ドライブ不足になっている症状である。発振管を12BY7Aに変更したところ、グリッド電流が0.2mA程度から0.6mAに増加して、プレート電流もタンク回路の同調点でグンと深くディップするようになった。
・832の寄生発振。水晶を抜いても832のグリッド電流が流れて出力が検出される状態。
→プレートにパラ止めを入れたが、寄生発振は止まらなかった。そこで、832のソケットのグリッド端子直近にFBを入れたところ、寄生発振は完全に収まった。
以上のトラブルが解決した後で、832の負荷タンク回路のL/C比をカットアンドトライで調整し、最大出力となる条件を模索した。タンクコイルには、お世話になっているJA2NKD OMが送って下さった、貴重なエアーダックスコイルである。
試行錯誤の結果、832のプレート電圧180Vで4W強の出力が出るところまで調整できた。
実際の運用はプレート電圧300Vで行うので出力は増すはずである。発振管である12BY7Aのプレート電圧はスタビロで安定化しないとキーイングによりチャピってしまう。スタビロの手持ちが無かったので、早速フロービスにVR105MTとVR150MTを注文した。
ここまで調整が進んだ12BY7A-832 7McマスコットCW送信機である。
スタビロを取り付けて、VXOの可変範囲を確認する作業は来週以降の課題である。