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J310パラレルGG RF-H mode mixer-X'tal fil-AD603x2 IF CB受信部の実働試験   

2019年 09月 08日

JA9TTT式AD603x2 IF基板の実働試験をしたところである。
https://fujichrome.exblog.jp/30769497/
今週末はSV1AFN H mode mixer board、12.8Mc 5素子ラダーフィルター、J310パラGG RFアンプを接続して受信部全体の実働試験を行うことにした。

まずは、SV1AFN H mode mixer boardの実働を行った。
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LOの入力レベルと変換ロスが不明だったことから、SV1AFNにメールを出して問い合わせたところ、変換ロスは6db、LOレベルは0dbm~10dbmで周波数によって違う。LOレベルを上げながらスイッチング素子のゲートで波形を観察し、5V PEPの矩形波が現れたらそれ以上LOレベルを増やす必要が無い、とのことであった。そこで、観察の容易な7メガで実験をしてみた。
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6dbmでLOを印加したところ、スイッチング素子の入力に5V PEPの矩形波が検出された。
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Boardは凡そ所定の動作をしているように見えたので、全体を接続して実働試験を行った。フィルターのI/Oは330Ωである。50Ωとインピーダンスマッチングするためにメガネコアに2T:5Tのトランスを巻いた。
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RFを付けずに実働試験をすると、27.144Mc AM30%の7dbμの信号が知覚限界であった。
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ここで、J310パラGG RF基板を接続した。
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すると、同信号の知覚限界が-4dbμとなった。
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実験セットである。
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-4dbμとは、現用の1号機や2号機とほぼ同等の感度である。この構成でもCBトランシーバーの受信部としては実用的な感度になりそうである。しかし、この受信部ではSメーターの振れのフィーリングが致命的に悪いという問題がある。信号レベルが10dbμを超えた辺りから針が急に振れ始めて、その後一気にフルスケール近くまで振れてしまうのである。Sメーターの振れ方としては最も望ましくないパターンである。先にIF基板だけで確認したとおり、これはAD603の動作そのものに起因する特性のようで、手直しは困難と思われた。

J310パラGGーHmode mixerーfilterのトータルゲインは凡そ0dbとなったので、受信部全体のゲインは全てIF部で稼がないといけない。JA9TTT式AD603 x2 IF増幅基板は、ゲインについては必要な90db程度を確保できるのだが、Sメーターのフィーリングの悪さは致命的であり、受信部としては使えないという印象となった。

90dbものゲインを同一周波数で稼ぐことは発振の危険性や安定度の点で困難であり、ダブルスーパー化が不可避であろう。10.7Mc 1段増幅-DBM-BW=6kcセラフィル-455kc 2段増幅というディスクリートアンプであれば、要求される90dbのゲインを確保でき、SメーターやAGCも適切な回路を組み込めるであろう。このダブルスーパーIF回路の予備実験として、CA3028モドキIF2段増幅基板を試作してみた。
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この実働試験は今後の課題となる。

-・・・-

高感度と高IP3という二律背反を両立させるCB受信部を構築することはなかなか難しいようである。その中核となるSV1AFNのH mode mixer boardはどうにか所定の動作をしているようである。当初、LO周波数をアッパーヘテロダインの39Mc台に採ったが、妙なビートが発生したり問題を感じた。考えてみると、ロジックICを使用してSW素子を矩形波で駆動するという原理なので、LO周波数が高すぎるとロジックICの7動作が追いつかないなど不都合が生じるはずである。そこで、LO周波数をローワーの14Mc台に変更したところ、妙なビートも消えてロスもやや減った。

CB受信機にH mode mixerを投入するなど酔狂の極みである。しかし、2シーズンの運用により、CB受信機とは違法CBの超強力な信号の合間に存在する微弱な目的信号を受信するという、7Mc受信機よりも過酷な状況に晒されることが実感されたのである。2信号特性ができるだけすぐれた受信部にするためには、H mode mixerの投入も厭わないのは、自作ならでは可能である。

CB受信機に限らず、受信機とはすべからく難しい。一応聞こえるものを組み立てるのは簡単であるのだが。



by FujichromeR100 | 2019-09-08 20:00 | 合法CB | Comments(4)

Commented by タナカヒデオ/ja1vkv at 2022-02-21 15:45 x
こんにちは、H-mode-mixerからたどり着きました、7Mhz専用受信機を計画中です、10年程前にSV1AFNから2セット買ってあったのを思い出し制作例を探していました、MIXER単体での実験では0db-2tnoで3Rr-IMD -80db程あるので使えそうなのですが問題はS/Nが他のMIXERと比べてわからないのでそちらの組み立てたセットではどんな感じなのでしょうか?

7Mhzで信号をあまり聞きませんが?
Commented by タナカヒデオ at 2022-02-21 15:52 x
2tone-spacing 2Khzで測定。
Commented by FujichromeR100 at 2022-02-22 08:42
コメントありがとうございます。実はこのボード、その後の実験をしているうちに突然壊れてしまい、使用を断念してしまいました。かなり期待していたのですが。。。

その後、凡庸なJ310グランデッドゲートクワッドミクサーで実験を進めています。
Commented by タナカヒデオ at 2022-02-22 16:37 x
昨日前に買った2台を組み立てたのですが1台は問題ないのですがもう1台が上手く働きませんロスが位あり出力トランスも2回作り直ししても駄目でトライブの波形を確認したところくけて歯になったりならなかったりでICが駄目なのかも?
SV1AFNに画像を送り返事待ちです、単体での測定では現用のSD9801HDより良いので使ってみたいのですが明日仮に接続してテストしてみます、部品が小さいので交換するのも帯なのでこちらも困っています。

JA1vkvl

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