今から約40年ほど前、20代の中頃に中古で買ったFT101ZDは今でも現用機としてFT8の交信にも使用している。

数年前、突然故障してしまいお世話になっているOMにSOSを出して調べてもらったところ、本体の故障ではなく6146Bの1本がオーバーヒートしてガラスが過熱して溶け、穴が開いてエアーが入って死んでいたことが原因であった。この時は球を手持ちの品に交換して復活した。
その後FT8では入力を入れ過ぎないように控え間に運用していたのだったが、10月の中過ぎに涼しくなったので久々にFT8を運用したところ、突然全く出力が出なくなり、そのうち電源を入れるとフューズが飛ぶ状態になり完全に故障した。
故障する前から時々出力が半分しか出なくなったり、PlateとLoadバリコンの危機がブロードになって異常な状態になることがあったが、少し経つと症状が自然に治っていたので様子を見てはいた。
故障した際の状況から考えて、電源回路の故障に巻き込まれて複数の故障が重なっているように思われた。
テスターで高圧回路をチェックしたが地絡している様子はなく、整流用のダイオードも生きているようではあった。
が、手に負えなさそうなので、お世話になっているOMに再びSOSを出して診て貰うことにした。
数日後に連絡が来て、6146Bが1本死んでいることがトラブルの原因であるとのことであった。

6146の手持ちはあるのだが、生きていたタイプと同じタイプでgmが残っていそうなものは左上の1本だけであった。


左が生きていた6146B。右が手持ちがあった同形状の6146B。ゲッターが少し喰われている。どちらも今は無きPlay Things of Pastから買った中古チェック済品である。これを挿して実働試験を試みることにした。

実働試験を行うと無事に送受信ができた。無事に復活である。
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40年以上使って来たFT101ZDである。無線はこれなしには成立しない程の無線機になってしまった。送信する前にPlateとLoadバリコンの調整をしないと、無線をやるという感じがしない程、このリグの操作が体にしみ込んでいる。外付けSi5351 VFOと外付けVOXを接続してFT8でDXも楽しめる。
今回の故障が起きる前に、12BY7Aのプレート電圧平滑用ケミコンが破裂するというトラブルが起きて、その部分のケミコンを交換したが、それ以外に本体に致命的な故障は一度も起きていない。非常にアタリが良い個体だったことになる。
こちらが無線ができなくなるまで無事に稼働し続けて欲しいと祈るばかりである。